沿革

高知情報ビジネス専門学校情報システム課を卒業後上京、ソフトウェア会社に入社。

帰郷後はセーラー広告株式会社で約20年勤め、2017年に起業後はフリーランスでの写真撮影を主な活動としている。

フォトグラファーを選んだきっかけ

フリーランスになり、まずは自身のプラットホーム的な自社媒体を持ちたく、高知の特産品を販売するECサイトkochiMARKETを開設しました。

サイトは商品の羅列だけではなく、展開している商品の生産場所や環境、工程、想い、製品、実例と個々の商品を掘り下げたかたちで、読み物としても楽しめるものでした。

残念ながら、ECサイトの運営事業自体はうまくいかず、今ではサイトは閉じた状態です。銀行からECサイトの運営事業で借り入れ、資産として残ったのはカメラ機材一式でした。

話は前後しますが、退職してすぐに一般社団法人仁淀ブルー観光協議会より、ホームページリニューアル(後に別会社で再度リニューアル)の発注をいただくことができました。

ホームページは、仁淀ブルーでお馴染みのネイチャーフォトグラファーの高橋宣之氏撮影の写真を中心に制作しました。

自身の写真については、梅田のヨドバシカメラで購入して2ヶ月後に撮った乗台寺庭園の写真が、初めて応募したキヤノンのフォトコンテストに入賞したことに気を良くしたこともあり、自身の写真も先方に提案しました。

そうしたいきさつもあり、高橋宣之氏が撮っていない施設や食べ物、イベントの写真を撮ることになりました。

当初のホームページリニューアルだけではなく、引き続きその後のサイト運営の契約もいただくことができました。

結果、業務の上で写真を撮るということが必要となり、今では仕事のオファーが撮影の仕事がほぼ占める状況に、名刺の肩書をクリエイティブディレクターからフォトグラファーに変更しました。

他の主な請負としましては、2021年度からは東京に本社があり主にインバウンド業務を請け負っている企業からの依頼で、高知県観光コンベンション協会が主催する海外向け観光情報サイトVISIT KOCHI JAPANで使用する写真を撮っています。

「いい写真」を撮るコツはありますか?

人が見て「いい写真」と感じる写真を撮るには、まずは数多くの写真を見ることが重要だと思います。

そうすることによって、自分がどんな写真が好きなのか、知ることになるのではないでしょうか。

「いい写真」が好きな写真とは限りませんが、自分が撮る写真への込めた想いがないと、不特定多数の方がいいと思う「いい写真」を撮ることは難しいのではないでしょうか。

自分が写真を撮るうえで意識していることは、その写真が何を伝えたいかをはっきりさせることで、主題を明確にし余分なものを整理することを心掛けています。

あと、長くなるので説明は省きますが、被写体をよく見てみることも重要です。

自身の写真について

以前勤めてた広告会社の営業は、プロジェクトの責任者としてプロデューサーの役割も担います。

フォトグラファーに指示する立場であったことも大きいですが、写真を意識したきっかけは、スポーツ総合雑誌グラフィック『Sports Graphic Number』の購読ですね。

かれこれ20年以上前から定期購読しているでの、無意識のうちに写真について目を凝らしてきました。

掲載されている写真にはクレジットが入っているので、どなたが撮った写真か分かるようになっています。

購読を続けていくうちに、個々のフォトグラファーの違いや、好きなフォトグラファーなど気にしながら読んでいました。

ですが、自身が写真を撮るうえで、やはり大きな影響といえば、高橋宣之氏の存在なくして今の自分はありません。

高橋宣之氏が撮り続けた仁淀川流域の写真を中心に、ほんとうに素晴らしい写真や動画をたくさん見てます。

高橋宣之氏とお会いして話もできることもあり、なにげない会話での気づきや、恐れ多いことに撮影のアドバイスもいただいています。

今までで難しかった写真は?

これは即答できます。にこ淵ですね。

写真の撮影依頼リストに、にこ淵を見たときは困惑しました。

今まで、にこ淵の写真が必要なときは、高橋宣之氏の写真を使用してきました。

仁淀ブルーの象徴として、ANA全日空のカレンダーに採用されるほどのクオリティの高い作品です。

はっきりといいますが、にこ淵の写真は、高橋氏が撮った写真とそれ以外に分類されるほど、クオリティの違いは歴然としています。

お金をもらう身でにこ淵を撮ることは、かなりのプレッシャーでした。

今では環境も整備され、観光名所として平日でも多くの人々が訪れる場所ですが、ここに限らず写真を撮るとき自分ひとりだけがその場にいるという状況は、案外と少ないものです。

大体は悪い意味ではなく、人がどんどん絡んできます。気兼ねない撮影環境をつくることはいつも心掛けているので、現場での配慮やコミュニケーション力が問われます。

ここからは個人的なことになってきますが、撮るのも難しいです。

にこ淵の神秘的な青は、ご存じのとおり滝壺に太陽光が差すことによって生じますが、光が湖底で跳ね返ることにより、水面の青が輝いて見えます。

にこ淵のベストな写真となると、正午過ぎにその光の入りきった頃合いを狙うのですが、時期や天候はもちろん、光の質や草木の色づき、水量や透明度など気になることが多々あります。

構図もバランスをとることにも難しさも感じますが、さらに専門的なことでいうと、草木に当たる反射光がかなり強く、暗い箇所との大きな明暗差が気になってきます。

自身が撮った写真で説明しますと撮影は5月下旬、新緑の季節におこなっています。

レンズに角型のハーフNDフィルターを装着することにより、明暗差を少なくしています。

具体的にはフィルターを、上部から中心部にかけて徐々に利かすことにより、奥の壁面や水面はフィルターの影響をなるべく受けないよう調整して撮影してます。

もちろん写真に正解なんてありませんので、あくまで参考程度にご理解ください。

仕事には愛が必要

人に認められ、いい仕事をしようと考えたとき、どうするべきか。

プロのフォトグラファーとして、依頼のあった写真を撮ってお金をいただくという行為をどう捉えるか。

写真に限らずですが、仕事って愛が必要だと思っています。

愛情や愛着があればこそ真摯に向き合い、よく知ろうとも、深く考えようともできるはずです。

私が撮る写真の被写体は様々ですが、あらゆる愛を持って接しないと、極論かもしれませんが、いい写真なんて撮れないとおもっています。

こちら様のメンバー同様に、私にも郷土愛があり、高知の発展を強く願っております。

職務として地方自治体や法人、企業が広報で使用する写真を取り扱っていることもあり、その写真の力で高知のGDPを1%でも増やしたいと意気込んで活動しています。

自身のホームページのURLを記載しました。高解像度での写真を掲示しておりますので、閲覧時にご不便おかけします。

URL https://second.myportfolio.com/

編集注

このページに掲載している写真は細木拓也氏の許可を頂いて掲載しています。

著作権は細木氏にありますので、もしこの写真を活用したいということでしたら、細木氏に直接ご連絡いただくか、こうちっちにご連絡ください。こちらから細木氏にご連絡を入れます。

インタビュアー こうちっちメンバー

コーディネーター よしさん

記事作成者 さとる