高知龍馬空港から、車で僅か15分足らずの香南市赤岡町に一風変わった美術館があるのをご存じですか?

その昔、赤岡町は商人の町として栄え、今でも古民家が軒を連ねるその一角に、酒蔵を改造したユニークな美術館「絵金蔵」はあります。

成る程、酒蔵だから、蔵と言うのか!

絵金とは?

絵金(1812~1867)は、幕末から明治にかけて活躍した狩野派天才絵師、引瀬金蔵の通称で、義太夫歌舞伎をテーマに描いた芝居絵屏風23点は、この蔵に大切に収蔵されており、高知県保護有形文化財にも指定されています。

浮世絵の様な版画とは違い、全て貴重なオリジナル一点もので、赤岡町の地元商店の人々を中心に多くの支援者によって今日まで大切に保存されて来ました。

絵金については、まだまだ多くの謎が残されているようですが、18歳で江戸に渡り、狩野派技法を驚くべき速さで習得した後、土佐に戻り土佐藩の御用絵師として活躍、独自の世界観を築きあげました天才絵師。

しかし、不運にも贋作事件に巻き込まれ城下追放の身となり、10年余りの放浪生活の末、叔母を頼りに叔母の住む赤岡町にやって来ました。

「絵金蔵」の薄暗い蔵の中に入るとそこは江戸時代の雰囲気そのままに、ろうそくが灯り、提灯を持って薄灯りでの鑑賞。

普段は損傷を避けるため、レプリカが展示されていますが、番町皿屋敷など、義太夫歌舞伎と言われる芝居絵は、おどろおどろしく血しぶきが飛び散り、まだ、電気も無かった時代では、ろうそくの灯りがゆらゆら揺れると、鮮血の赤が生々しく輝き出し、絵金独特の鮮やかな色彩と大胆な構図は、まるで本物の芝居のように動くので、まだ娯楽の少なかった時代に人々は絵金の怪しくも美しい屏風絵に熱狂したに違いありません。

絵金に魅了され、人生を翻弄された者は数多く、100人余りの弟子もいたそうです。

絵金についてもっと深く知りたい方は、木下昌輝著「絵金、闇を塗る」を是非、読んでみください!

余談ですが、坂本龍馬と共に有名な土佐の勇士、武市半平太も幼少の頃、絵金に絵を習っていたそうです。

絵金に因んだお祭りが開催される!

赤岡町では、年に一度、「土佐赤岡絵金祭り」、「須留田八幡宮神祭」、他にも幾つか、絵金に因んだ祭りが行われています。

祭りでは、オリジナルの屏風絵が蔵から運び出され、軒下に並べられ、目の前で鑑賞することができます。

毎年7月の絵金祭りでは、全国から絵金ファンが訪れ、普段は静かな赤岡町もこの日ばかりは大勢の観光客で賑わいます。

この祭りは、地元の商店をはじめ、地域企業、団体の寄付によって成り立っています。

名前絵金蔵
住所〒781-5310
高知県香南市赤岡町538
電話番号0887-57-7117
観覧料大人
520円(470円)
高校生
300円(250円)
小・中学生
150円(100円)
※ ( )内は、15名様以上の団体料金です。
営業時間午前9時~午後5時
(最終入館は午後4時半まで)
休館日毎週月曜日
(月曜日が祝日の場合は翌平日)
年末年始休業
12月29日~31日
1月1日~3日
公式ホームページ絵金蔵

香南市赤岡町の交流拠点「弁天座」

「絵金蔵」の向かいには「弁天座」と言う芝居小屋があり、毎年絵金祭りの2日間に合わせて、絵金の芝居絵屏風に描かれている歌舞伎が上演され、赤岡町は、高知の知る人ぞ知る趣豊かな隠れた宝石ですね!

現在、「絵金蔵」では、修復された23点の屏風絵を数回に分けて展示する企画展が開かれていますので、是非、この機会をお見逃しなく!

(9月12日までコロナの影響でクローズ、延期されましたので、詳しくは、絵金蔵のホームページでご確認ください。)

早くコロナが収まり、来年は絵金祭りが開かれる様に!

名前弁天座 -BENTENZA-
住所〒781-5310
高知県香南市赤岡町795番地
電話番号0887-57-3060
受付時間9:00~17:00
施設利用時間9:00~22:00
公式ホームページ弁天座 -BENTENZA-

高知のみぽりん